(写真:AFP)
【モスクワ=共同】 アメリカのケリー国務長官とロシアのラブロフ外相は26日、ジュネーブでシリア情勢について協議後、共同記者会見し、停戦実現や人道支援強化、米ロの軍事協力で最終合意に至らず、専門家による協議を継続すると明らかにしました。
両氏とも合意発表に近づいていると強調しつつも、詰める必要がある課題が残っていると述べました。ただ、ケリー氏は「合意は急がない」とも語っており、米ロの溝を埋めるのには時間がかかる可能性があります。
会談では、(1)ロシアが後ろ盾となるアサド政権と、アメリカが支援する反体制派の激戦が続くシリア北部アレッポでの人道支援のための48時間停戦(2)過激派組織「イスラム国」(IS)など過激派の位置情報共有を含めた軍事協力――などが議題となったとみられます。
いずれも合意の発表はなかった。アメリカ側にはシリアでロシアとの協力を深めればアサド政権のさらなる延命につながる恐れがあるとの懸念が強いもようです。
会談は途中でシリア和平協議を仲介する国連のデミストゥラ特使も加わり、中断を挟んで10時間以上続きました。